世の中には情報を公開するサービスがたくさんあります。例えばSNS。不特定多数の人々に自分の生活の一部を写真などで公開している人がたくさんいます。しかしその中でSNSで他人に見られることに疲れている人がいる、というおかしな状況も生まれているようです。この記事では、そんなSNS疲れを元に公開サービスの問題について考えていきたいと思います。
1:情報を公開することに疲れた人々
SNSは人々の何を疲れさせるのでしょうか?そもそもSNSのメリットは何なのでしょう?その答えを探すためにまずはSNSのメリットについて考えます。これは情報発信の平等性かな、と考えます。SNSが普及する前は個人の趣味趣向や主義主張は有名にでもならなければ世に広く発信できませんでした。だから何かしら発信したいときに誰でも発信できることがSNSのメリットだといえます。しかし、このことを言い換えると、発信した情報を広く公開するということになります。誰かの目に常にさらされ続けることに疲れた人々がSNS疲れという言葉を生んだのです。このように分析すると、情報を簡単に公開できるということはいいことばかりではないということになります。
2:情報を公開することのデメリット
公開サービスはSNSと同じなのだと私は考えます。まず、ここで言う公開サービスとは何なのか?から説明をしておきましょう。運送系の会社のブログなので、それはずばり掲示板形式のオンラインマッチングのことです。求荷求車サービスとも呼びます。求荷求車もSNSと同じように情報を広く公開しています。たとえそれが会員しか見ることができない情報だとしても、業界に広く普及してしまっているサービスなので、業界に広く情報を公開していることになってしまうのです。では、そこに荷物情報や空車情報を公開すると何が起きるというのでしょうか?
まずは得られるメリットから挙げていきます。
見つからないと思っていた傭車や荷物が見つかる
従来の取引網では見つからなかった傭車や荷物が見つかる
新規取引のきっかけがつかめる
などです。良いこと尽くめのようですが、デメリットはないのでしょうか?いいえ、そんなことはありません。
飛び越え営業される
買い叩きが起きる
傭車に足元を見られる
などのデメリットを思いつきます。当然、情報を公開するのだから、どこがどんな情報を誰に伝えているのか分かってしまいます。「そんなの関係ない」っていう事業所もあるとは思いますが、これまで築き上げてきた取引が飛び越え営業で奪われるのは正直面白くありませんよね。他の二つも割と嫌な問題で、閑散期にありえないぐらい安い荷物情報を載せている事業所がありますが、少しでも運賃を上げてほしいこんな時期にあまり見たくない光景ですね。逆もまたしかり。困っている人の足元を見るような真似はしたくないものです。
便利、便利と使っていますが、結局のところ私たちは公開サービスで利益を得ていることがあるのでしょうか?情報を公開するのが当たり前になってしまっている今の業界は、「利益を削って情報を公開してマッチングして、、、。」みたいに、誰も利を得られないのにただ惰性で情報公開をしているようにしか見えないのです。
本来、運送サービスの質で勝負していたはずの私たちは、今、運賃という価格でしか差別化できない勝負をしています。利益を削りながらどちらが先に音を上げるかを競う、我慢比べというか、チキンレースというか、そんな不毛な勝負です。だから私たちが公開サービスを使うことで利を得ているのは誰なんだろう?ということを考えると何とも言えない気持ちになるのです。
3:平等よりも公平をおススメする理由
非公開で取引することには次のメリットがあります。
ライバルに情報を見られない
取引先別に対応することが可能
このメリットは次のように言い換えることができます。そう、差別化です。企業間競争においてこれができなければ利益を得ることはできません。しかし、公開するサービスは参加するすべてのユーザーを平等に扱います。平等といえば聞こえはいいですが、知恵や工夫による努力を無努力と一律同じにしてしまうのだから、たまったものじゃありません。小が大と対峙するために創り上げた差別化が無効化されてしまうのです。
だから社会には公平が必要なのだと私は考えます。公平は平等と何が違うのでしょうか?平等は「一生懸命働いても、働かなくても給料は同じ」ということ、公平は「一生懸命働いた人は沢山給料をもらって、働かない人は給料が少ない」ということ、といえば分かりやすいのかもしれません。だから、知恵と工夫によって差別化する企業が、公平に評価され利を得るべきなのだと私は思っています。
SNSや公開サービスをつかうことに疲れた人々を見ていて皆さんはどう感じますか?「平等もいいけどそろそろ公平な仕組みも必要ではないか」と思いませんか?
そこで当社は公平な配車サービスというものの構想を始めました。当然、情報は非公開にする方が良い。取引先との条件を調整しながら自社独自の運送サービスを創造できるサービス。え?「それなら電話でずっとしてきているから必要ない」ですって?そうですね。でも電話でやる配車だと「あと5分早ければ」とか「ついさっき終わった」とか言われて上手くいかないことが多くありませんか?
では、もしインターネットで同じような「公平」な取引ができたらどうなるでしょうか?アナログでは解決できなかった問題をデジタル化で解決できるかもしれません。そしてそれはきっと「見つかりやすさ」と「公平」を両立させることができます。
まとめ
電話よりも伝達効率が良いから荷物も傭車も見つかりやすく、それでいて公平で情報を公開しなくても済む。そんなオンラインサービスを長年考え続け、やっとの思いで企画したのが当社のオンラインサービス「配車ステーション」です。求荷求車ではない新しい配車サービスが皆さんに公平な舞台を提供し、利を得られる状況へと導きます。
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